山田昌記:24

番外編〜天秤〜

 

音楽を生業として19年目になります。
俺らが20代前半の頃って、なんとなーく、「バンドで食ってく」みたいな理想で動けました。
バンドするからフリーター。みたいな。。。

近年、バンドマンや大学生に多い悩みとして出てくる「就職」の2文字。

「就職するんでバンド解散します」
の言葉に俺はいつも
「せっかく楽器に触れて来たんだから趣味でも楽器には触れていてね」
「新生活に慣れてきたら、またバンド始めてよ」
これは必ず言うてきた、本当にそう思うから…。
でも、それ以前に辞めてしまう事の勿体なさ、残念さはめっちゃある。
その上で俺がかけれる言葉。

逆に最近は解散して6年くらいは優に経ってる3バンドに復活を促している…
きっかけは「俺が観たい」から、でもこんだけ経たから向こうも素直に話を聞いてくれる。
一回でいいからライブをしてくれればいい
でも、必ずマイペースにやり直してくれる気がしている。(勝手に)

そんな中、就職活動による音楽活動の停止について考えてみた。
と、いうか就職を投げ打って音楽活動をしている。
という天秤には乗っていないのかもしれないが…
行き着く先は「そろそろ就職しようと思っている」ってなる。

以前のブログにも記したが俺が長年スタッフとして付いて行かせて貰ったバンドは「仕事ありき」で結成されたバンドだった。
だから仕事と音楽の両立をしっかりと見せて貰ってきたわけです。
立場的に色々なバンドが大学卒業や就職活動にぶち当たり「バンド活動がどうなるか…」的な相談や報告をたくさん受けて来ました。
俺個人としては「両方本気で頑張れ」を推奨してきました。(もちろん就職先の勤務地、時間条件等の色々な問題もあるのもわかっています)
どうすれば続けられるか…っていう考え方。
これは今までも言うて来たのでアレなんですけどね。

今回は逆に音楽活動に対してなんですけど…

まず各々の目標点。
「売れたい」「食いたい」「成功したい」等がどこにあるのか?
これまた俺個人の意見ですが
第一目標は音楽活動を音楽活動で賄えれば一つの成功な気がしています。
自分の労働の収入を音楽に投資しない状況。
交通費や打ち上げ代、機材費やマーチャン経費がバンドで賄えれば… これは山田的な第一成功だと思うのです。
バンドの地元のブッキングライブって、よく話題に上がる ノルマ と言うのが存在します。
ノルマという響きがあまり良くないのかもしれませんがね…
1500円のチケットで、15人呼んでくださいね。ってやつ
10人来てくれました、でも5人は来ていてないから5人分被ってください。
って事です。

なんだかお金を払ってライブをしなければならない…って感覚になりそうですけど…そうじゃないんす。
人を呼んで!って事です。
だって15人呼んでくれたらそれでオッケーなんですし、それ以上呼んでくれたらバックします。(いわゆるギャラです)
なんならチケット買い取りでもいいと思っています。
ライブが決まる、その日のチケット15枚をバンドが買い取る。
バンドはそれを売る。
その方がみんな必死に売るのかもしれない、けど、見え方は良くはないですよね。。。

じゃぁタダで人を呼べばいいじゃない?
それじゃめっちゃ人入ってもギャラ払えないじゃない?
そもそも家賃もアリ、人件費、光熱費等もある…なんというか必要経費なのです。。。

住む家に家賃があるように、仕事、アルバイトに給料があるように。。。

ウーピーズ時代は集客についてバンドを責める事はあまりしませんでした。
あまりね…
頑張って頑張ってこない時もあるだろうし…

でも、最近は

平日はバイトだから…
今月はライブ2本入ってるから…
(ノルマが金銭的にきつい)
対バン知らないから…
ノルマのあるライブはちょっと…

って断られる、もちろんハコの魅力やら俺の説得力、好き嫌いもあるとは思いますけどね。
ノルマはちょっと に関して言えば、別にそれでもお客さんを呼んでくれればいいですよ?
なんか、ノルマなし=集客しなくていい
に感じるバンドさんが目立ちます
(そうじゃない人もいます)
こちらも条件を出す以上、それに見合った一日にする為に頑張っています。
「あー出て良かったな」って思って貰える様に
出演者も何か残して欲しい。っていう希望はあります
成長や集客変化、目標…
結果すべて自分達に帰ってくる事なんですけどね…。


最近ツアーバンドが京都に来るとき、対バンが決まった状態でハコに落ちてくる事が増えています。
蓋を開けば地元バンドなし、SOLD OUT
いや、悔しいし、悲しいですよ。

正直に言うとゲストバンドが来る際
「地元バンドを入れたいです、頑張ってるやつら居るんです」って交渉してます。。。ました。かな
逆に「良いバンドいないの?」とか聞かれたり。
俺の親しいブッキングの方々はそういう人たちですよ。
だから答えろ!とかじゃないんですけどね。。。

まぁ頑張るって何やねん!
ってのもそれぞれなんですけどね。
お客さんが呼べない理由も様々だと思います。

対バンが良くない。
これ一番嫌いな理由です。

もっと色々考える…感じる?そうして欲しいです。
毎回、いつもの対バン、同じセットリスト、曲順、決められたようなMC…そら飽きますって…

自分が観に行く事をもっとイメージした動きが必要かな?とか思う訳です。。。


めちゃめちゃ話反れましたけど、仕事と音楽活動の話に戻ると、「この仕事がしたい」じゃない限り
「ここ受かったから」「とにかく就職」な気がします。
もちろん例外もありますよ?
稼ぐ為にコレ!
手に職付ける!
とかはポジティブ。

で、就職して 毎朝早起きして満員電車に乗って
会社に求められた仕事を週5〜6日、9時間くらいするわけです。
仕事内容覚えて、得意先に頭下げて、上司に怒られ…
(もちろんそうじゃない場合もアリw)

それが出来るなら、もっともっと音楽活動に時間と努力費やせるんじゃないかな?と思ったのです。最近。
会社で「いくら売り上げろ、契約取って来い」と同じなんじゃないのかな?って。
音楽諦めて、そっちにシフト出来るなら
人生で仕事するより遥かに短い期間のいま、とことんその気持ちで音楽活動出来るんじゃないのかな?と
制作活動、ライブ活動、集客への努力等々…

俺が知ってる今京都でトップクラスの2バンド…
本当にそんな感じでした
週に3回くらいウーピーズに出ていたり…
コピーバンドばかりの高校生のレンタルの日にゲストで出ていたり…
「もっとライブ選べば?」なんて言った事もあります
でも、お客さん なんです。彼らは。
「色々なお客さんの前で自分達を魅せる」
そのために様々なライブに出る、企画する。
その度にしっかりとお客さんはデモテープを手に取って帰っていました。
聞いたお客さんはライブを見れば歌うし、盛り上がる。その小さな動きの繰り返しです。

もう一つのバンドは一時軌道に乗ったのに会社を離れた時期がありました音源も何も出していない、予定もない4年。
変わらずライブをし続け、曲を作り、企画をし…ワンマンをソールドさせ音源発売を発表した時は泣いたね…

結果、凄く時間かかったけど その2バンドは今は一線で活動しています。
そこを目指しているバンドマンもチラホラ聞きます。
でも、みんなそれだけの意思でそれだけの活動をしています。

こんだけ書いて、「あ、ほな辞めるわ」ってなってしまう人も居るかもしれないな…って思ってしまったw
「俺、そんなつもりでやってないし」とか…
そういう人はスルーしてください。

そしてハコの人間はおせっかい焼きです、相談されたら答えようとします
もっと地元のハコとバンドが協力していけたらな…と。。。


なんか思う事をうまく表現出来ているかも、俺の意見が正しいとか間違ってるとかもわからないけど…
書ききれているかもわからないけど書きました。